外国の人は不思議に思うようですが、日本人は昔から、自分や身内を卑下することで相手を持ち上げるという癖があり、そのせいかどうか、子どもや家族を褒めることがどうも苦手という方も意外に多いと思います。躾にしても『ああしてはダメ』、『こうしてはダメ』、失敗すると『何をやっているの!』などと、褒めるより叱る場面の方が圧倒的に多いのではな いでしょうか。上に紹介した著書の中で、「『幸せな結婚』を長引かせる方法の一つに、『減点制』から『加点制』に変換することが重要である」ということが書かれていました。『あら探し』をしてマイナス要素を見つけるより、『い いとこ探し』をしてプラスの部分に眼を向けようということですね。
なるほど、相手の悪いところに目を向けて不平不満を言って生活するより、相手の良いところを見て、小さなことでも相手がしてくれたことに感謝しながら結婚生活を送るほうが、良い関係が長続きするというのは頷けます。
最近は、学校や医療の現場で『いいこと日記』や『ほめ日記』を付け、自尊感情や自己肯定感を高めることに役立てているという話もよく聞きます。
この『褒める』ということや『いいとこ探し』、夫婦間でも学校でも職場でも、良い人間関係を築くために、日本人はもっと積極的に訓練を行う必要があるような気がするのです。
函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット83号」(平成26年11月29日発行)より