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コラム

「ボキャブラリー不足」

先日、テレビで見た興味深い実験のことです。

 

それは、主に若い女性の間で使われている「かわいい」という言葉が従来の「小さいもの、弱いものなどに心惹かれる気持ちをいだくさま」や「物が小さくできていて、愛らしく見えるさま」などの意味を表現する以外にも、あらゆる場面で頻繁に使われていることに着目したものでした。

 

複数の女性が集まったある席で「かわいい」という言葉を使わずに会話するよう条件づけをしたところ、会話が弾まないどころか、まったく言葉が出てこない女性もいたのです。つまり、彼女たちの間では「かわいい」という言葉が相槌と同ような使われ方をしていたようですね。ある人は、「かわいい」という言葉について、「語彙に乏しい者が様々な愛らしさを表現する言葉。もっとも平凡で無難なお世辞。」という解釈をしています。また、「カタカナのカワイイは表面上の虚偽の愛らしさ」 と表現している人もいます。(2013「あなたの言葉を辞書に載せよう」 キャンペーンより)  

 

なるほど、確かにそのとおりかもしれません。「色使いがすてきだ」とか「形が斬新だ」「珍しい」など、私たちはいつの間にかそれらの表現の多くを「かわいい」で済ませていることが多いようです。ボキャブラリーの少ない会話は、上記の言葉を借りると「表面上の虚偽」に近いイメージをどこかで誰かに与えているかもしれません。「かわいい」に任せっきりにせずに、せっかく持っているのであれば、豊富なボキャブラリーは使った方が得策かもしれません。

 

                 函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット82号」(平成26年10月31日発行)より