この春、高校に進学した知人の娘さんは、新しく部活動を始め、意欲的に練習に励んでいました。ところが、6月も半ばを過ぎて「部活、辞めたい」と言い出したのだそうです。「どうやら先輩のいじめが原因らしい」とその知人。「いやなら無理に続ける必要はないから、辞めてもいいよ」と、結局は部活を辞めることになったそうです。
でも、考えてみてください。楽しみにしていた部活が、たった一人のいじわるな先輩のために続けられない状態になるなんて…。いったい、人の楽しみを奪う権利が誰にあるというのでしょう?
いじめは暴力です。暴力は力の差があるところにおこるといわれています。暴力という手段を使うと、相手を支配し、自分の方が強いと思わせることができるのです。
社会には上司と部下、親と子、先輩と後輩、男と女など、力の差がある関係はたくさんあります。でも、これは社会的に作られた関係なのです。
大人でも子どもでも、人間一人ひとりは同じ人権を持った対等の存在なのですから、暴力(いじめ)を使って相手を支配しようとする行動は間違っているのです。こういった認識が足りないと思われる場面が、残念なことに日常的に数多く目に入るのが事実です。
暴力は親密な関係にもおこります。夫婦や恋人間のDVも大きな社会問題となっていますし、大人だけでなく若い恋人同士でも「デートDV」がおこっているのです。
結局、私たちがお互いに対等な存在である事を認め合わなければ、暴力はなくならないのだと思います。そのためには、小さい頃からの教育が何よりも大切なことだと思うのです。
函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット91号」(平成27年6月30日発行)より