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コラム

「幸せを感じるコツ」

函館市女性センターでは、男女共同参画社会の形成に重要な「ワークライフバランス」が実現した社会を目指すために、「『理解』と『協力』が幸せのキーワード」というキャッチフレーズを掲げて運営をおこなっています。この言葉は、「あなたが理解と協力を示すことで、あなたの周りの人が幸せな気持ちになることにつながりますよ。」という、どちらかというと、人に対しての配慮を謳っているものです。

 

では、自分自身が「幸せ」を感じるためには、どうしたらいいのでしょうか。(ここで言う「幸せ」は、「幸運な事態」とか「嬉しい気持ち」と定義します。)

 

「Hakodate☆かがやきネット83号」で紹介した著書「なぜ、結婚はう まくいかないのか」の中に、「幸せを感じるコツは期待しないこと」という文言がありました。初めから期待しないと小さなことでも嬉しくなる、というのです。なるほど、言われてみると全くその通りだと思いました。

 

例えば冬のこの時期、雪による路面の状態で、朝の通勤時に車が渋滞することが多くの人のストレスとなっています。夏場と同じ時間で到着したいと期待すれば、1.5倍ほどの時間がかかった場合にはとてもガッカリしますが、最初から2倍はかかるとあきらめていれば、1.5倍かかっても「意外と早く着いてラッキー」と嬉しい気持ちになります。

 

また、働くお母さんが仕事で遅くなった時、家族の誰かが晩御飯を作っていてくれるかなという期待をし、帰ってみて何の支度もできていなければ腹が立ちますが、家事を手伝ってもらうことを期待しないでおけば、洗濯物を取り込んでくれただけでも嬉しく思えるというものです。

 

今の世の中は、いろいろなサービスを受けることが当たり前になっていますから、気付かないうちにみんながそれを「期待」しているのです。そして、その「期待」が邪魔をして、ささやかな喜びを感じられなくなったり、逆に普段受けている、ありがたいはずの「サービス」がなかった時は、「期待」を裏切られたと感じ、怒りの感情が現れたりするのではないのでしょうか。

 

とはいえ、周囲の様々なことや人に対して初めから全く期待しないというのは、少し淋しいような、また、ものすごく難しいことかもしれませんが、今よりもう少しだけ幸せを感じるために、「期待値を下げる」訓練をしてみることは、案外有効なのかもしれません。

 

                函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット85号」(平成27年1月31日発行)より