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コラム

「若者に広がるWLB意識」

働きながら子育てをする人や、長時間労働によるストレスで健康を損ないつつある労働者が増加したことを背景として、1970年代以降の欧米で「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」が必要であると提唱されて来ました。近年の日本でも、個人のライフスタイルに合わせた多様な働き方の実現を目指すという考え方や、「ワークライフバランス」という言葉も浸透して来ているようです。(WLBと表記している紙面も見かけるようになりました。)

 

そんな中、「就職活動に取り組む学生の間で、ワークライフバランスを重視しながら企業を選ぶ傾向が強まっている」という新聞記事を目にしました。ある就職情報会社のリサーチでは、「時間内に仕事を終え、積極的に子育てする同性」を「すごくかっこいい」と思う学生が、男性で62.5%、女性で70.7%というアンケート結果に、「近年の学生はプライベートを重視した働き方に関心を持つ傾向にある」という見方をしています。

 

一方、そんな学生の意識の変化に合わせて、求人する企業側も「転勤なし」「残業なし」というような魅力ポイントを明記し、「子育てしながら仕事を続けられる環境」や「ライフスタイルを守りつつ、働き続けられる会社」を目指していることをアピールしているようです。

 

「少子化で人手不足の中、優秀な学生を採るため、働く環境を見直す企業は増えている」という見方や、「子育て中の女性の優遇策だけではなく、すべての社員があらゆる働き方ができるような制度を整えるべきである」という意見が、新聞の生活面に大きく取り上げられるようになった今こそ、言葉だけでなく多くの人の「意識」の中に浸透して欲しいと願う今日この頃です。

 

                       Hakodate☆かがやきネット第103号 ★☆★☆ 平成28年4月30日発行より