ガンになり、余命宣告を受けた35歳のカメラマンが、2歳の息子に伝えたい大切
こととして著した本ですが、親として、また、人として、生きるうえでのヒントに
したい数々の言葉が記された一冊としておすすめです。
「優しい子に育てるには、優しい親でなくちゃいけない。」「親子、家族のあいだ
の優しさは、ただ相手のことを思って、受け入れるだけでいいこともある。」「小
さなところで選ぶ練習ができていない子どもは、恐ろしくて自分で決断できない。」
「学校は、理不尽さを学ぶ場所だ。」などなど、著者が子どもの頃に感じた親や周
りの大人たちへの疑問から、自分が親になり、また、病気になってわかった親とし
て子どもに接するための気づきなど、本文ではわかりやすい例をあげて語られてい
ます。
「親子関係と友だちの圧倒的な違いは、『頼りになるか/ならないか』の差だ。」
という章で、頼りになる親になるには、子どもが安心できる存在になること、頼ら
れる強さを持ち、少なくとも子どもの最大の味方になることなどなど、子どもにと
って、安心できる家庭を築くためのヒントが満載です。
●幡野 広志 / 著 ●株式会社PHPエディターズ・グループ/発行