ある日喫茶店で出会った悟とみゆきが、デジタル化していく世界の中で素性も
連絡先も聞かないまま、「アナログ」な関係を始めるといったストーリー。
パソコンをコンピューターと呼び、連絡が取れない時間に想像したり相手を想うこ
とでますます二人の思いが強くなる様子や、悟が母親に対する感情も時にユー
モラスに描かれている。事故によってみゆきの秘密が明かされるが、その時悟
が選んだのは「アナログ」か「デジタル」なのか。
「誰かを大切にする」とは何かを問いかける渾身の長編です。
●ビートたけし /著 ●株式会社 新潮社 /発行