この本の重要なテーマは、「人と人のつながりについて、基本的な発想の転換を
試みてみよう」というのもの。生活形態や価値観が多様化している現代において
も、いまだに古い「ムラ的な共同体」の「親しさを求める作法」を引きずって
いることが、傷ついたり人を追い詰めたりする要因になっていると考えられると
筆者は言います。「共同体的な凝集された親しさという関係から離れて、もう少
し人と人との距離感を丁寧に見つめ直したり、気の合わない人とでも一緒にいる
作法を考えたほうがよい。」と…。本書は2008年に発行され、中学から大学
の課題図書や入試の問題文として使われているそうですが、最近TV番組「世界
一受けたい授業」で、又吉直樹氏が紹介したことにより、人気が再沸騰しました。
中高生はもちろん、大人の方もぜひ一読を!
●菅野 仁/著 ●株式会社 筑摩書房/発行