働いているか、働ける状態にあるにもかかわらず、憲法で保障されて
いる最低生活費以下の収入しか得られないワーキング・プア状態の人た
ちが増えているという日本。「~野宿者だけでなく、DV被害者やネッ
トカフェ難民など住所不定状態にある人たちを含む広義のホームレス問
題に関わっているうちに、気が付いたら社会全体が地盤沈下していた。」
(まえがきより)と危惧する著者。
「反貧困」を合言葉に、うっかり足を滑らせたら、すぐさまどん底の生
活にまで転げ落ちてしまう「すべり台社会」に「ノー」を言い、誰もが
人間らしく生きることのできる「強い社会」へ向けて、課題と希望を語
る一冊。
●湯浅 誠/著 ●株式会社 岩波書店/発行