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コラム

お父さん、出番です!

その男性Aさんは、60代後半で、『男子厨房に入らず』と言われ育った経緯もあり、仕事をリタイアするまでは、家事全般を専業主婦の妻に任せっきりでした。ところが、退職後、余暇を利用して料理教室に参加する機会があり、初めて本格的に料理を経験したところ、ことのほかそれが楽しく、すっかり興味を覚え、男性の料理サークルを立ち上げて、楽しく活動を続けるまでになりました。

 

サークルには、子育て現役中の若い男性の参加も徐々に増え、忙しい中にも時間を見つけては、いそいそと通って来るそうです。Aさんは、「料理を作って家族にふるまい、『おいしい』と言って食べてもらえると、とてもうれしい」と言います。そして、「経験してみると、妻の立場や気持ちがよくわかるようになった。」とも。

 

昔は、経済的な面からも「男は仕事」「女は家事」があたりまえでしたが、今は共働きが主流の時代。社会的にも「男女共同参画」という意識が浸透してきて、男性が、料理をはじめ家事をすることに抵抗がなくなってきていることが伺えます。Aさんのサークルの若いパパたちのように、「現役のうちから、自分のできる家事を協力していると、妻の立場もわかるし、子どもへの良いお手本となって、男女共同参画社会の推進にも拍車がかかる」と、Aさんは若い男性たちに料理の楽しさを伝えるべく、楽しんで活動しています。

 

このように、老若に関わらず男性の意識が変わってきている現実を見ると、それぞれの家庭の中で、家事に「お父さんの出番」を求めてみるチャンスが今、到来しているのかも知れません。

函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット60号」(平成25年3月30日発行)より