平成28年5月に七飯町の山林でおきた「男児置き去り事件」は、日本中はもとより、海外にまでも波紋を引き起こしました。みなさんご存知のことと思いますので、事件の内容については触れませんが、この問題は、親が「しつけのため」として行った行為だったということです。これまで報道された幼児虐待やその他の事件でも、「しつけのために」という言葉をよく聞いて来たように思います。また、今の親たちが育ってきた環境の中でも、言うことを聞かなかったら、おやつをもらえないとか、欲しいものを買ってもらえないというような、何かしらの罰をあたえられた経験のある人も多いのではないでしょうか。
しかし、この事件後、様々なコメンテーターの意見の中で、「これは、しつけではない、折檻である」という言葉によって、こういう行為はしてはいけないということを、はっきり教えられた気がします。「折檻」とは、「厳しくしかったり、こらしめの体刑を与えること」とあります。つまり、罰を与えて、親の言うことを聞かせようとしているわけです。
以前、このコーナーでも紹介した「暴力の定義」を覚えていますか?暴力とは「怖がらせ、操る行為」です。言うことを聞かないのなら罰を与えるぞ、というのは、まさに怖がらせて操っているのですね
・弱いものを力で思いどおりにしようとする行為は「暴力」です。
・人間同士のコミュニケーションは「暴力」なしで成立するのが正常な形です。
HAKODATE☆かがやきネット105号 ★☆★☆ 平成28年6月30日発行 より