以前、「ワークライフバランスの実現した世の中になるためには『理解』と『協力』が必要だ」、という内容のコラムを書きました。その後、いろいろな場面を思い出すにつけ、「理解と協力」というのは、ワークライフバランスのみならず、人が幸せに生きるために重要なキーワードなのではないかと実感したので、今回はそのことについて触れてみたいと思います。
高校時代、進路を決める時に、親が反対しているという理由で、第1志望の大学をあきらめた友人がいました。資金的な援助は全てしてもらって第2志望の大学に入学しましたが、あまり充実した学生生活ではなかったそうです。大学を卒業するまでの『協力』はしてもらいましたが、本当にやりたかったことを『理解』してもらえなかったことを、かなり長い間残念がっていました。
夫婦の話を例にとってみると、子育て中の妻が何かをしたいと思った時に、「いいよ」と『理解』を示す夫は多いものの、それをかなえるために必要な『協力』まではしてくれないためにイライラしている女性がいかに多いことか…。
「美容室に行きたいんだけど」「いいよ」「じゃあ、その間この子の面倒見ていてね」「あ、オレは出かけるから無理」「え~!!」…。協力のない「いいよ」は、「勝手にやればいいよ」と等しく、理解されている感がないので不満に思えるのです。
このように「理解と協力」は、両方がセットになって初めて喜びを運んでくれる行為となるのです。「理解を示したなら協力する」、「どうせ協力するならしっかり理解してから」、そんな風に心がけておくと、今よりもっと誰かの幸せにつなげることができる人になるのではないでしょうか。
函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット75号」(平成26年4月30日発行)より