夏休みに入ったせいか、国道を走る車の中に、他県ナンバーや二輪車の数が増えてきました。と同時に、札幌方面へ向かう歩道で、ヒッチハイクをする若者の姿も時折見かけます。観光地函館の住民としては、ホスピタリティを全開して、車を寄せて停車し、スマートに「どうぞ!」と乗せてあげたいところですが、警戒心が先に立ち、この親切は未だにできないでいます。
何年前のことかはっきりと記憶していませんが、知らない若者に大人が注意していきなり刺されたというような事件が報道された頃から、多くの日本人が面と向かって他人と関わることが少なくなったような気がします。
50代の筆者が小さい頃は、他人の家の子どもでも、悪さをすれば近所の大人に叱られたり、学校の帰り道に通りがかりのおじさんに「今何時ですか?」などと気軽に声をかけていたことが思い出されます。
基本的に、心配なことさえなければ、人は人と関わりたいのだと思います。ネット上で、会ったこともない人と「ともだち」や「恋人」になるという状況が起こっているのが、その一つの証拠ではないでしょうか。
どこの誰ともわからないヒッチハイカ―でも気軽に車に乗せてあげられるような安心な社会になるためには、みんなが「暴力」というものを理解することと、コミュニケーション力を身につける必要性をつくづく感じるのです。
函館男女共同参画メールマガジン「HAKODATE☆かがやきネット78号」(平成26年7月31日発行)より