宮地 尚子 著
阪神淡路大震災のような大惨事やDV・虐待を受けた人は、そのとき自分に何が起きたのかについて、他人に対して説明できないだけでなく、自分に対してもそれを言語化できないことがある。
トラウマをかかえた人と、その人を取り囲む人間関係を説明する、新たなモデルを提案した。
それが「環状島」である。
「環状島」というモデルを使って考えることで、トラウマからの回復と、当事者の支援について、様々な問題点がすっきりと整理できるようになる。
クライアントと日々を共にする医師であり、マイノリティー問題に関わる研究者である著者自身に必至の課題であった。トラウマに関与するすべての人にとって、本書は実践と論理のための道標になるでしょう。